こんにちは。リクママです。
先日、共済組合に用事があって行ったら(黄色い組合員証で普通に入れます)
「これからの異動について」ー隊員のご家族の皆様へー
という陸幕監修のしおりをいただきました。
それには家族向けに中期実員管理について簡単に説明してありました。
家族の理解を深めてもらい、異動決定に際しても隊員を支え、準備をスムーズに進められるためにしをりを作成されたそうです。
突然ご主人が異動の話を持ってきて困っている方、「中期実員管理だから仕方ない。行ってくれ」と言われたけど、「中期実員管理って何?」という方達が結構いるのではないかと思います。しおりなんて持って帰ってきてくれませんしね。私も異動してからもらったので、それじゃ意味がないのではないかと^^;
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目次
中期実員管理とは
中期防衛計画の大綱
10年ごとに「防衛計画の大綱」というものが閣議決定されます。最近では平成25年12月に閣議決定されましたが、これに陸上総隊(仮称)、水陸両用機動団(仮称)、南西諸島配置部隊(仮称)を新設されることになりました。
冷戦仕様だった編成を今の情勢にあわせなくてはならないからです。
今の情勢というと・・
ロシア:ロシア軍の活動の活発化
北朝鮮:北朝鮮による軍事的な挑発行為や挑発的言動
核・ミサイル開発の進展
中国 :軍事力の広範かつ急速な強化
東シナ海における活動の急速な拡大・活発化
中台軍事バランスの強化(中国側に有利な方向に)
南シナ海における活動の急速な拡大・活発化
太平洋への進出の常態化
グレーゾーンの事態の増加・長期化傾向
としおりには書いてあるのですが、それはわかるけどなんで異動しなきゃいけないの?と思いますよね。(ソース:防衛白書)
限られた防衛予算の中で新設部隊を作るということは、既存の部隊を整理しなくてはなりません。自衛隊サイドからすれば新設部隊を作るからお金ちょうだい!と言いたいところですが、財務サイドが許してくれるはずもありません。
そこで、整理された部隊の余剰人員をどこかに振り分けますよね。振り分けられる側も定員は決まっていますから、既存隊員を他部隊に出さなくてはなりません。
「うちの部隊は関係ないから、関係あるとこだけやって」と思うところですが、それでは回りませんし不公平なので全隊員が対象の全国異動が求められることになりました。
私はDDTな隊員を動かして部隊の空気を刷新するという裏事情もあるんじゃないかと思っていますが・・・
(DDT:出ない・出せない・取り手がない)
准尉・陸曹の全国異動の基準
全隊員が公平性をもって全国異動できるよう、基準が設けられました。
●退職するまでの間に、3年以上2回または、6年以上1回の全国異動を実施する
ここには書いてありませんが、基準を守らなけらば当然昇任の対象になりません。
幹部の全国異動の基準
●部隊を異にする異動又は同一部隊内での配置換えを2~3年基準で実施するとともに、他の方面隊区において6年以上勤務する
幹部のほうが基準が厳しいらしいです。
でもB・Uは昔からそんな感じだったような気もしますが・・
異動によるメリット
全国異動することによる家族のメリット
- 異動によって家族の絆が強まる
- 全国各地で様々な経験を積み、人として成長できる
- 家族にとってかけがえのない思い出ができる
- 全国の土地を回ることにより、子供の情操教育に良い
- 将来にわたって付き合える友人が全国にできる
- 異動先の近くの景勝地(有名な温泉、寺等)に行くことができる
- 異動先の有名な食べ物を堪能することができる
- 全国各地のレクリエーション(スキー、スキューバ、水泳等)を体験できる
実体験として思うこと
子供の頃も、現在もあちこち流転していますが、実体験として言えることは行けるなら行ったほうがいいということ。異動の波には乗ったほうが、昇任や上司の心情もよくなると思います。
ただこの制度、実際ずっと続くのかしら?と疑いの目でみています。
ちょっとここからはご家族の方はピンとこないかもしれませんが、
中期実員管理は26中期防に明記されています。この26中期防は平成26年から平成30年度までのことなんです。29中期防に引き続き明記されるのか、それは誰にもわかりません。
民主党政権下で決定された23中期防では人事施策の抜本的見直しが明記されていますが、
- 准尉階級を廃止し、上級曹長階級を新設、士官と下士官の別建て俸給表を作成する。
- 幹部自衛官ソースの見直し(Cグループ(3尉候補者課程採用数)を段階的に縮小・廃止し、Bグループ(部内幹候)採用数を増加)
これをご覧になって、なんか昔そんな話もあったけど、そういえばいつのまにか聞かなくなったなぁ と思いませんか(笑)
それもそのはず、23中期防は廃止され引き継いだ26中期防に記載されていないので立ち消えたのです。
さらに中央即応集団(17中期防)は廃止され、陸上総隊(26中期防)を創設するなんて大きな事もあります。
中期実員管理もこれと同じ経緯を辿るかもしれません。実際に現場で人事を采配している部隊長の方々はなかなか大変なのではないかと思います。下からのクレームが多ければ、次期は立ち消えになるかもしれない。そうなったときに、まともに話に乗った隊員は時期が来れば戻してもらえるのか・・・。以前のように方面隊内だけで陸曹は回すとなったら、人事の基本はトレードですから方面隊を跨る異動の後入れがない限り、出れないのではないか??とか考えてしまいます。
あくまで私の空想の話ですが、なきにしもあらずな気がしませんか?
じゃあ、自分だったらどうする?と言われたら
こんな裏話は考えず、素直に行けるなら行きます。
そして、置かれた場所で咲けばまた道が開かれるでしょう。
新しい土地に行くのは不安も多いですが、見識も広がりそんなに悪いことじゃないですよ。
家庭ごとに様々な事情があると思いますが、よく話し合ってベターな道をみつけてください。
読んでいただいてありがとうございました♪

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